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大切なのは、自然体。3歳までの脳に重要なこと
~年齢別脳の育て方~

毎日の育児の中で、子どもの脳のスゴさに驚かされたことはありませんか? 大人では覚えられない難しい電車の名前をたくさん暗記したり、将棋をすぐに覚えてしまったり…。感心して英才教育に熱を上げてしまった人もいるだろう。ただ小さいうちから勉強を詰め込むのはどうなんだろうか? 
「しあわせ脳に育てよう!子どもを伸ばす4つのルール」の著者である、脳科学コメンテイターの黒川伊保子氏に話を聞いた。

●赤ちゃんの頭の中はむちゃくちゃ忙しい

「3歳までは“何をするかじゃなく何をしないか”が大事です。この時期は、外界を感じることに脳をフル回転で使っています。母親の肌の柔らかさや温かさを感じて、おっぱいを口に含んだ幸福感を反芻します。父親の大きな胸郭に響く低音の声や、家の匂いに安心しているのです。赤ちゃんの脳は、外界情報を知識に変換していて、とても忙しいのです。なので、赤ちゃんが壁に揺れる光をご機嫌で見つめていたら、そのままそっと見つめさせてあげてください。散歩中に街路樹に見とれていたら、立ち止まってあげてほしいのです。彼らをかまい過ぎず、感じているものを母もゆったり感じて生活するのが、この時期の最高の教育です」(黒川氏 以下同)

この時期、母親は、赤ちゃんの喃語(「ばぁ」や「ぶぅ」などの発声)に、同じ音程で答えるのが基本。高い声で「ばぁ」と言ったら、同じように高い音程で「ばぁなのね」と返してあげる。低い声なら、低い声で返す。たいていは自然にそうしているものだというが、赤ちゃんとのコミュニケーションの取り方がわからない方の参考までに。
大切なのは、自然体。3歳までの脳に重要なこと
 

●男の子が見えない敵と戦っている理由

赤ちゃん期は、自分の脳に合った遊びを自然に選ぶという。特に男の子の赤ちゃんには、注意が必要だそうだが、それは…?

「男の子は生まれつき近くより、遠くに興味が行く脳の持ち主です。男の子がおもちゃを散らかし放題にして、こっちの車、あっちの電車と目移りすることもありますが、これは空間認知力を高めているところなんですね。つい『新しいおもちゃを出すなら、今遊んでいるおもちゃをしまいましょう』と母親はやりたがりますが、ちょっと待ってください。これをやると、男の子の脳の可能性をつぶしてしまうことになりかねません」

よく小さい男の子が見えない敵と戦っているのも、この空間認知能力のせいだという。この時期だけは、部屋が乱雑になっても、脳を育成中と思って放っておくのが正しいやり方だそうだ。

では、女の子の特徴は何だろう?

「女の子は、観察能力に優れています。例えば、子どもが、抱き上げたお母さんのカーディガンのボタンに手を触れたら、丸く平たい物体が、穴を通るという物理現象に脳が触発された証。そういう、日常のささやかな出会いこそが、脳に感性の地図を描きます。かといって、ボタンを無理矢理触らせても効果はありません。共感を欲する脳を持った女の子には、“○○ちゃんは、これ好きなのよね〜”と言うくらいがいいでしょうね」

●赤ちゃんは泣かせてあげるのがいい?

男女とも脳科学の観点からいくと、泣いたらすぐ抱いてあやしすぎるのも注意が必要だという。オムツも濡れてない、暑くも寒くもない、お腹も空いていないはずなのに、なぜか泣き止まない。これはどういうことなんだろう?

「泣くという行為は、脳にとってはなんとも気持ちよいストレス解消の行為です。涙を流すと、ストレスによって生じる神経反応を緩和する脳内モルヒネの一種も含まれていて、泣くと満たされた気持ちになります。泣きたくて泣いている赤ちゃんを、大げさにあやすのは、大きなお世話でしかありません。もし妻であるあなたが韓流ドラマに思いっきり浸って涙をこぼしている時に、夫が心配して話しかけて慰めてくれたら、イライラするのと一緒です(苦笑)」

泣いている赤ちゃんを抱き上げることは大事だが、ちょっと声をかけて、それでもまだ泣くようだったら優しく抱いたまま、思いっきり泣かせてあげていいそうだ。泣きたいときは、泣いていい。それは、赤ちゃんに“自然体で生きればいいよ”を知らせることになる。泣かれると焦ってしまうママやパパだが、夜泣きは脳の機能の一部だそうだ。どうぞおおらかに。
(取材・文/谷亜ヒロコ)

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